本日、2014年第1回写生会を行いました。
場所は京都府立植物園です。
描いたのは上から、ソランドラ・マキシマ、ブルボフィルム・グランディフロルム、ツバキ「白佗助(しろわびすけ)」、ツバキ「雛佗助(ひなわびすけ)」です。
ここ数年たくさん写生会を重ねてきても、やはり第1回というのは緊張するもので、まして季節は真冬。防寒対策は念入りに行いました。
かなりいっぱい着込んだおかげで植物園へ向かうバスの中では暑いくらいでしたが、植物園に着くと寒い寒い。少し早く着いたので、暖かいお茶を飲んで、まずは温室へ入りました。
温室ももう何回も入っていますが毎回見たことのない花を見つけますね。まず描き始めたのはソランドラ・マキシマという花です。メキシコ原産の、ナス科のつる性の木で、黄色い大輪の花を咲かせます。この花をまず、鉛筆に慣れるために描きました。大輪ということで、画面いっぱいに黄色い花を色鉛筆で描きました。
続いて温室内を歩き回ると、変わった花を見つけました。ブルボフィルム・グランディフロルムと書いてありました。形がランみたいだなと思ったらやっぱりラン科の植物でした。スマトラ島からニューギニアに生息するそうです。変わっていてきれいだなと思ってこれも描きました。これは透明水彩を使って描きました。しかし今一つこの花の美しさを表現しきれず、ちょっと残念でした。
温室を出て昼食をとった後、さらにもう1枚ずつ上下に服を着込んで、いよいよツバキ園へ行きました。早咲きのツバキが咲き始めているという情報を得ていたからです。行ってみると「白佗助」が既に満開でした。この花はすごく咲くのが早いのです。そして可愛い花です。この花は色鉛筆で描きました。
白佗助を描いた後、ツバキ園を少し回ってみました。既に7、8種類は咲き始めていたでしょうか。ずいぶん早いなあと思いました。そんな中から次は「雛佗助」を描いてみました。佗助でそろえてみました。
雛佗助は白佗助よりもさらに小ぶりのピンクの花で、その特徴をどう描き上げるかに苦心しました。これは透明水彩で描きました。ピンクのいい色が出て、今日描いた中では一番よく描けたと思います。
佗助(わびすけ)と呼ばれるツバキの園芸品種は何種類かあります。特徴は、葯(おしべの先端の花粉を作るところ)が退化していることです。それから、花が開ききらないものが多いです。白佗助は白色一重の猪口咲き、雛佗助は桃色一重の猪口咲きです。
佗助という呼び名の由来は諸説あるようですが、薄田泣菫の「侘助椿」から一部引用します。
「この椿が侘助といふ名で呼ばれるやうになつたのについては、一草亭氏の言ふところが最も当を得てゐる。それによると、利休と同じ時代に泉州堺に笠原七郎兵衛、法名吸松斎宗全といふ茶人があつて、後に還俗侘助といつたが、この茶人がひどくこの花を愛玩したところから、いつとなく侘助といふ名で呼ばれるやうになつたといふのだ。」
ツバキは奥深いです。花はもっと奥深いです。そんなことを思った写生会でした。
最後に個展のお知らせ。
★矢田明子個展「きらきら星」
会期:2014年3月27日〜3月31日、11:00〜19:00(最終日17:00まで)
会場:ギャラリー幹(京都府京都市中京区上瓦町52−5)