9/17に京都市美術館で「フェルメールからのラブレター展」「ワシントン・ナショナル・ギャラリー展」を鑑賞しましたので感想を書きます。「フェルメールからのラブレター展」は2011/10/16まで京都市美術館で開催された後、2011/10/27から12/12まで宮城県美術館、2011/12/23から2012/3/14までBunkamura ザ・ミュージアムへ巡回します。「ワシントン・ナショナル・ギャラリー展」は2011/11/27まで京都市美術館で開催中です。いま内容や批評を読みたくないという人はここから下は読まないでください。
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本日京都市美術館にて、フェルメールの作品3点を含む、フェルメールと同時代の17世紀オランダ絵画を展示した「フェルメールからのラブレター展」と、印象派、ポスト印象派の絵画を展示した「ワシントン・ナショナル・ギャラリー展」を一気に鑑賞した。
フェルメール、そして印象派とくればどちらも人気が高いだけに混雑を覚悟して行ったが、着いてみると待ち時間もなく、スムーズに入れた。
それにしてもこの2つの展覧会、どちらも観覧料が当日一般1500円である。2つ一気に鑑賞すると3000円? 高い。私は障害者手帳を持っていたため無料で入場できたが、一般の方で2つ一気に鑑賞された方は何人いるのだろうと思った。人気があるだけにそういう方も結構いらっしゃるかもしれないが。
まずは「フェルメールからのラブレター展」から鑑賞した。フェルメールをはじめとする17世紀オランダ絵画はどれも明暗のコントラストと細密な描写があり、暗い背景から人物が浮かび上がる描写に重厚さを感じた。
また描かれている人物の表情や仕草などの表現や、小道具の配置がとても細やかに計算されていた。たとえばヘリット・ダウの「執筆を妨げられた学者」は、この絵のタイトルの執筆を妨げられたという状況を、学者の唖然とした表情などで見事に表現していた。
(このヘリット・ダウという画家はレンブラントに師事していたらしい)
そしてフェルメールの作品3点は最後の展示室に展示されていて「手紙を書く女」「手紙を読む青衣の女」「手紙を書く女と召使い」と3点とも手紙をテーマとした作品であった。
フェルメールの作品は17世紀オランダ絵画の中でも特に明暗のコントラストがくっきりしており、とても深みを感じる。なかでも「手紙を書く女と召使い」は女と召使いの仕草や表情、窓や壁にかけられた絵など細やかに描き込まれていて素晴らしいと思った。
続いて「ワシントン・ナショナル・ギャラリー展」を鑑賞した。印象派の絵は色々と鑑賞してきたが、今回もモネやルノワールといった、これぞ印象派ともいえる絵が展示されていて私の目を楽しませてくれた。特にモネの「日傘の女性、モネ夫人と息子」という作品は明るい空に軽やかな筆致で描かれた雲、ふんわりとした質感の女性の服、全体として明るく、柔らかな印象を与える絵であった。
そしてセザンヌ、ゴーギャン、ゴッホといったポスト印象派の作品も展示されていた。この中ではゴッホの「薔薇」という作品が美しいなあと思った。緑色の川の流れのような背景に白バラを明るく伸びやかに、ボリューム感たっぷりに描き上げていた。
時代の異なる2つの展覧会を鑑賞してみて、一方は17世紀オランダ絵画、もう一方は印象派とその前後と、どちらもそれぞれのジャンルの特徴がつかみやすい展覧会ではあったと思う。
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